障害者の制度やサービスに詳しいケアマネジャーが見つかりません。
相談内容
・グループホームなどの障害福祉サービスを提供する会社で、エリアマネジャーを務める30代女性からのご相談。
・相談者が勤める会社のグループホームに入居する、男性64歳(以下、本人)。本人について、担当する障害サービスの相談員から「65歳からは介護保険、今後一年かけて障害サービスから介護サービスに移行していく」という話があった。介護サービスに移行すれば、本人は現在住んでいる(障害サービスの)グループホームからは出ていくことになる。
・本人のマネジメントに関しても、障害サービスの相談員から介護サービスのケアマネジャーに代わっていくとのこと。
・本人は統合失調症を患っており、日中は就労継続支援B型事業所に通っている。送り出す方(相談者)としては、障害特性や障害の制度やサービスに詳しいケアマネジャーが担当になってほしい。
・ケアマネジャー探しは障害サービスの相談員が行っているが、「障害」に詳しいケアマネジャーとなると、なかなか見つからない。
・障害サービスの相談員は、本人が介護サービスに移行してケアマネジャーに引き継がれた後も、フォローをしていくと言っている。そうした言葉が「嘘」だとは言わないが、実際に動いて本人の対応をするのは99%ケアマネジャーだということは分かっている。
相談者が困っていること
・障害(統合失調症、精神疾患、制度やサービスなど)に詳しいケアマネジャーが見つからない。
・今回のケースに限らず、弊社のような障害サービスを提供している会社は、利用者が介護保険に移行する際は「障害」に詳しいケアマネジャーに繋ぎたい、という思いがある。そうしたケアマネジャーとコネクションを作りたい。
弊所が考えたこと、行ったこと
・本人の意向の確認
グループホームにて、相談者と障害サービスの相談員と一緒に、本人の意向を確認しました。本人より「できれば現在のグループホームに住み続けたいし、B型(事業所)にも通い続けたい。無理なら仕方ない」。
弊所より「現在のグループホームがいい、というお気持ちが強いのであれば、そのことについて役所に話をしてみることもできますよ」。本人より「大丈夫です。でも、次の所は高齢者の施設やグループホームではなく、アパートで一人暮らしをしてみたい。あと、昼間はデイサービスのようなところではなくて、仕事がしたい」。
・相談者に確認。これまでに介護サービスに移行された方の担当で、「障害」に詳しいケアマネジャーはいませんでしたか。
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・障害サービスの相談員に確認。「障害」に詳しいケアマネジャー探しの進捗状況はいかがですか。
障害サービスの相談員より「同じ法人内のケアマネ、知り合いのケアマネ、地域の居宅介護支援事業所、地域包括支援センターに相談したが見つかっていない。「障害」に詳しい、という言い方は曖昧なので、相談する時は「障害サービスの利用もしたい介護保険の利用者」という言い方をしている。相談したケアマネは、担当できる利用者の人数が上限いっぱいだから断った、ということもあるだろうが、「障害」というワードに対して尻込みをしている感じがした」。
・弊所と関わりのあるケアマネに、「障害」に詳しいケアマネ、もしくは障害サービスの利用もしたい介護保険の利用者の担当を引き受けてくれるケアマネがいないか相談をしました。
3つの居宅介護支援事業所から「(障害サービスの利用もしたい介護保険の利用者の)担当を引き受けることができる」という返答がありました。
結果
・今後の本人のマネジメントは、障害サービスの相談員と同じ法人のケアマネジャーが行うことになりました。※認定調査の結果(要介護or要支援)など、状況次第で担当するケアマネジャー及び事業所が変わる可能性があることを本人に説明、当面は障害サービスの相談員と同じ法人のケアマネジャーにマネジメントを依頼することにしたそうです。
・弊所が探した3つの居宅介護支援事業所を相談者に紹介しました。別件で、相談者が勤める会社のグループホームを利用する男性が介護保険に移行する際のマネジメントを、そのうちの一つの居宅介護支援事業所が担当しました。
・相談者が担当する2つのグループホームと弊所との間で「現場の第三者委員」契約を締結しました。
これから
私たちが抱える課題は複雑です。高齢の親の介護→息子は引きこもり→理由は発達障害が原因のブラック企業でのパワハラ・・・。根本的な課題解決を目指そうにも、次から次へと数珠つなぎに課題が出てきます。そうした課題に対する支援者の知識やスキルも、「介護だけ」「障害だけ」といった特定の分野に限ったものだけでは対応しきれなくなっています。弊所の仕事は「調査すること」ですので、強い分野、弱い分野関係なく徹底的に調べます。加えて、ケアマネジャーと相談支援専門員(障害の相談員)の資格と経験がありますので、過去と現在の「人的繋がり」を活かすこともできます。お困りの際は一度ご相談ください。
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