一人暮らしをしてみたいですが自信がありません。
相談内容
・20代女性からのご相談。50代の両親、20代の兄との四人家族。
・相談者は摂食障害を患っている。
・母親はうつ病を患っている。兄は重度の知的障害を抱えている。
・母親と毎日のように口論をしている(理由は些細なこと)。父親は仕事ばかりで相談者や家のことには無関心。兄のことは好き。
・障害福祉サービスの就労継続支援A型事業所を利用している。お給料は約9万円/月。
・「一人暮らし」をしたい。
相談者が困っていること
・一人暮らしを始めるのにいくら必要なのか、生活費は毎月いくらかかるのか、「お金」のことが分からない。分かっても払っていけるのか不安。
・掃除、洗濯、ゴミ出しなど家事をやれる自信がない。朝食はパン、昼食はA型事業所で出してもらえる、夕食はコンビニで買ってくるので食事の心配はいらない。
・一人暮らしをすることについて家族やA型事業所の職員さん、担当の相談員さんに話をすると、みんな「難しいんじゃない?」「段階を踏んで少しづつやっていった方がいい」と言う。
・自分でもみんなの言う通りだと思う。一人暮らしをする自信がない。でも一人暮らしをしてみたい。
弊所が考えたこと、行ったこと
相談者の意向を確認しました。
Q.なぜ一人暮らしがしたいのですか?
A.親と離れて暮らしたいから。
Q.親と離れて暮らすということであれば、障害福祉サービスの「グループホーム」は考えましたか。また、「グループホーム」について担当の相談員さんと話はしましたか。
A.(グループホームについて相談員さんと)話をして見学にも行ったことがある。雰囲気が嫌だった、他人との生活はストレスがたまる、グループホームでは暮らしたくない。
ご両親の意向を確認しました。
母親より。家事は私が行っていて本人はやらない。本人の自立や家族と少し距離を置くために家を出てみるのもいいと思う。グループホームがいいのではないか、一人暮らしは難しいと感じる。少しであれば経済的な援助はできる。
セカンドオピニオンを目的として他の病院への受診を提案しました。
相談者からお伺いした心身の状態から、摂食障害以外の病気や障害を抱えている可能性を考えました。相談者がセカンドオピニオンを希望されたため、主治医に相談し紹介状を書いていただいた上で、別の精神科を紹介しました。紹介をした精神科で「双極性障害」と診断されました。
障害年金の申請を提案しました。
障害年金の対象となる病気について、摂食障害は対象外、双極性障害は対象です。原則として初診日から1年6ヶ月経たないと障害年金の申請はできません。摂食障害と双極性障害の関連を医師が認めれば、初診日は双極性障害ではなく摂食障害の初診日になります。診察の結果次第では、すぐにでも障害年金の申請ができることを相談者とご両親に伝えました。
担当の障害福祉サービスの相談員さんに連絡をしました。
相談員さんより。一人暮らしをしたいという希望は以前から聞いている。生活を送る上で家事支援など何らかの支援は必要である。グループホームやヘルパーの利用を提案したが本人は乗り気ではない。
サテライト型住居を提案しました。
サテライト型住居・・障害を抱えている方が利用できる福祉サービスの一つ。グループホームが契約をしているアパートで一人暮らしをしながら、グループホームの職員から家事などの生活支援が受けられる。
相談者と相談員さんにサテライト型住居について説明をしました。※相談者がお住まいの地域では当該制度を実施している事業者が少なく、相談員さんも当該制度についてご存じありませんでした。
家計改善支援事業を提案しました。
「一人暮らしにかかるお金」の疑問や悩みの相談窓口として、家計改善支援事業の利用を提案しました。
https://minna-tunagaru.jp/know/kakeikaizen/
結果
相談員さんとサテライト型住宅の見学に行かれました。→サテライト型住宅の利用を検討中。
障害年金について相談者とご両親、弊所で話し合いを行いました。その結果、障害年金の申請を社会保険労務士に依頼することになり、弊所から障害年金を専門とする社会保険労務士を紹介しました。→約二ヶ月後に社会保険労務士から弊所に「申請結果は不支給」と連絡がありました。相談者は審査請求及び再申請を望まれているとのこと。
家計改善支援事業の相談窓口に行かれました。相談後も継続して利用をされているそうです。
これから
例えば「スポーツ」。スポーツを選び、練習をして試合に出て活躍するのは「あなた」です。他の誰にも代わりはできません。弊所ができることは種類(どんなスポーツがあるのか)や情報(そのスポーツの魅力、プレイする上で大変なこと、どんな練習が必要か、競技人口、プレイできる場所など)を、しっかりと調べ丁寧に分かりやすく伝えることです。弊所の存在意義は「自立支援」です。ご自分で努力し自立ができる方がいる一方で、自立や自立をするための準備に支援を必要とされる方もみえます。後者の方はぜひ弊所にお問い合わせください。お手伝いできることがあると思います。
大好きなスポーツ。試合で活躍できないこともあるでしょう。しかし、スポーツの練習が貴重な経験になったり、スポーツ観戦がかけがえのない思い出になったり、選手でなくともスタッフとしてスポーツに関わったり…。すべての人がいろいろな形で大好きなスポーツと繋がりを持って生きていけることを心から願い、そのための支援をしていきたいと考えています。
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