有給休暇を巡る話し合いにおいて会社と相談者に有効なこと

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2023年10月4日

退職前に有給休暇を消化したい。

 

有給休暇申請書のイラスト

 

相談内容

 

・40代男性からのご相談。

 

・不動産を扱う会社に勤めており、4ヶ月後に同じ業界の会社に転職予定。

 

・30日以上残っている有給休暇をすべて消化してから退職したい。

 

・有給は退職までの4ヶ月間で少しづつ消化し、消化しきれなかった分は退職前にまとめて消化したい。

 

・有給消化に関する意向を直属の上司に伝え了解を得た。その上で退職届を提出した。

 

 

 

 

相談者が困っていること

 

・会社から退職前に有給休暇をまとめて消化することはできないと言われた。

 

 

・その理由として会社から言われたことは「有給休暇中、相談者が担当しているお客様の対応は誰がするのか」「退職をするにしても会社に籍を置いている以上は他の従業員の負担も考えるべき。有給をまとめて取ることは他の従業員の負担になる」「業務スケジュールを調整し休める時に休むことは許可する」。

 

 

・会社から言われたことを直属の上司に確認をすると「退職前にまとめて有給休暇を取ってもいいとは言っていない」と返答あり。

 

 

・会社や直属の上司の対応に不信感が募り、退職を4ヶ月後ではなく、法律で定められている「申し出をしてから2週間」後にしようとした。退職届に退職希望日を記載していたため退職届の返還を求めたが、会社から「一度受理しているため退職届の返還はできない」と言われた。

 

 

 

 

 

弊所が考えたこと、行ったこと

 

・退職前に残りの有給休暇をまとめて取得してもいいのかを労働基準監督署に確認した。

 

労働基準監督署「退職前にまとめて有給休暇を取る取らないは労働基準監督署が判断することではありません。当然「ダメです」というルールもありません」。

 

 

 

・自分の業務(担当しているお客様の対応)がある場合は有給休暇は取れないのかを労働基準監督署に確認した。

 

労働基準監督署「退職を控え有給休暇をすべて消化できないにもかかわらず、顧客の対応を理由に有給休暇は取得できないとすることはできません」。

 

 

 

・会社に提出した退職届を返還してもらうことはできないのかを弁護士に確認した。

 

弁護士「受理された退職届の返還は会社判断による。会社が「返還できない」と言っているのであれば返してもらうのは難しいと思われる。退職前にまとめて有給休暇を取得してもいい、という話をした直属の上司との会話の記録などがあれば状況は変わってくる」。

 

 

 

・相談者に代わり会社と話をしてくれる人はいないか。

 

相談者より「いない」。

 

 

 

・【再確認「退職前にまとめて」ではなく「業務スケジュールを調整し休める時に休む」では、有給休暇を消化することはできないか。

 

相談者より「数日しか消化できない」。

 

 

 

・労働基準監督署に相談もしくは第三者(弊所など)に会社との話し合いに立ち会ってもらってはどうか。

 

相談者より「考えてみる」。

 

 

 

 

結果

 

相談者は25日間の有給休暇を残したまま退職した。

 

 

 

 

これから

 

法律に則れば相談者の意向は通るはずです。会社としては会社や従業員を守るために必要な主張をされています。

 

当事者間での話し合いが難しい場合は

①ルール(労働基準法)を確認する

②第三者を入れる

ことが有効な場合が多いと感じます。

 

しかし、一方で今回の相談者のように、労働基準監督署への相談や第三者を入れることに対して心理的ハードルが高いと感じる方も多くいらっしゃいます。結局、相談者は有給休暇を残したまま退職をされました。今回のご相談では、相談員は相談者の心理的ハードルが高い場合は、それを低くする伝え方や対応をしていかなければいけないと感じました。

 

今回のご相談につきましては、相談者から費用はいただいておりません。

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