困りごとの答えは、いつも「外」にある。
「移乗介助」という言葉をご存知でしょうか。介護の現場で、ベッドから車椅子へ、車椅子からトイレへと、体を一つの場所から別の場所へ移す介助のことです。実は、人の生活を助けるという仕事は、いつも何かを、必要な人のところへ「届ける」ことでもあります。
先日、ある文章を読んでいて、ハッとしたことがあります。新しい問題を解決する力は、その問題が起きている場所の中だけを見ていても、なかなか生まれない、という話です。
例えば新幹線。あの高速で安定した走りは、鉄道の技術だけで生まれたわけではないそうです。戦後、飛行機を作ることを禁止された技術者たちが、行き場を失って鉄道業界に移ってきました。その人たちが持っていた「揺れを抑える技術」が鉄道に持ち込まれたことで、新幹線という形になったといいます。答えは鉄道の中ではなく、外にあったのです。
弊所が向き合っている「経済的に困っている方」の相談も、実はよく似ています。介護や支援の現場だけ、福祉の制度だけを見ていては、答えが見つからないことが少なくありません。傷病手当金、特別児童扶養手当、施設の加算制度…これらは、それぞれバラバラの場所にある知識です。困っている本人は、そもそもその知識がどこにあるかを知らないし、探す元気も残っていないことがほとんどです。
同じ市内に住んでいても、ある方は使えている制度を、別の方は知らないまま何年も一人で抱え込んでいる、ということが実際にあります。制度がないのではありません。その制度が、必要な人のところまで「届いていない」だけなのです。
弊所の仕事は、まさにこの「届ける」ことだと思っています。福祉の現場で20年見てきた困りごとのパターンと、困っている方からは「外」に見える社会保障制度の知識を、今、目の前にいる方の手元まで運ぶこと。それが、弊所の役割だと考えています。
もし今、「誰に相談していいか分からない」「これは福祉の相談じゃない気がする」と感じていることがあれば、それこそが、まだ「届いていない」答えがどこかにあるサインかもしれません。お気軽にご相談ください。
ふたつ社会保障制度調査事務所
稲山未来
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